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2018/6/11

低用量オプジーボ治療の症例報告(7)のその後

>患者さんは51歳女性。
>卵巣癌で何度も手術(なんと8回!)や抗がん剤治療を繰り返してきていて、転移のため右肺も下半分切除している。
>しかし、肺に新たに転移が見つかり、標準治療ではもはや打つ手なしとのことで、平成29年7月に当院受診。
>胸部レントゲン写真で、確かに残された右肺や肺門部に腫瘍影を認める。

>相談の上、低用量オプジーボ治療をやってみることになり、早速初診時に1回目投与。

>ところが、2回目投与予定の直前に患者さんから連絡があり、
癌がよりによって健側(手術していない側)の左肺に行く主気管支を閉塞してしまい、左肺が無気肺(肺に全く空気が入らない状態)になってしまったと。
>つまり、肺が4分の1しか機能していない状態になってしまったため、常時酸素を吸っている状況で、来院できないとのこと。
>とにかく1回投与しただけで終わっては意味がないのでと、特別に往診して2回目投与。

>その後、近くの地元の医院の先生が協力してくれ、その先生により更に2回投与した段階で問題の無気肺が解除された、つまり気管支を塞いでいた腫瘍が小さくなったという報告がありました。


それから1年近く経って連絡あり、経過は順調だが肺の影は未だ有り、地元の医院の先生から「オプジーボは一体いつまで続けるのだ?今後どうしたらいいんだ?」と言われたとのことで、相談のため来院。(ご自分でも少しは調べてくださいよ)
胸部レントゲン写真撮ると、確かに右肺上部の影は残っているが、他はすっかりキレイになっている。そもそも、残っている影は腫瘍なのだろうか?PETで染まるか確認するといいのでは、とアドバイスした。
当面、オプジーボは2ヶ月に1回でよいのでは?ともアドバイス。(コストも抑えられる)
PETの結果によっては、もっと間隔を延ばす又は一旦やめてもいいとも思う。

卵巣癌でも、効く人は効く。
一時は酸素吸っていたが、すっかりお元気になられた。

2018/4/7

低用量オプジーボ治療の症例報告(9)のその後

83歳、女性。
平成29年9月に肺腺癌ステージ4(肝臓、右副腎、左腎臓など全身に転移あり)と診断。
いろいろな経緯あり、ほぼ無治療の状態で平成29年12月11日に当院受診し、低用量オプジーボ治療開始。
3回の投与で、患者さんが一番苦しんでいた肛門部の転移が消失。
(ここまでは前回にも記載した通り)

その後、副作用なく経過し、
平成30年2月28日(6回投与後)肝臓や右副腎や左腎臓などの遠隔転移が全て消失。原発の肺の陰影はまだ少し残る。
4月7日(9回投与後)肺の陰影もほぼ消失。わずかに残る陰影は傷跡みたいなものでしょう、と患者さんには説明。各腫瘍マーカーも正常値化。
ほぼ完治と判断し、これ以降は念のため2ヶ月後に再診。その時の検査結果を見て追加でオプジーボを投与するかどうか決めることにする。
もっと安価でマイルドな免疫治療に切り替えてもいいだろう。
患者さんは治療費用として取りあえず200万円は準備したそうですが、十分にその範囲内でここまで持って来られた。
(それでも高額の治療ですから、1回の治療代が40万円とか60万円の治療って正気の沙汰じゃないですよね)

※オプジーボはあまりいい気になって2週間ピッチの投与を続けると、急に効かなくなることがある。(それはオプジーボ開発者の本庶先生も言っている)
個人的には10回の投与を分岐点にしている。だから、完治していなくても10回を超えてきたら投与インタバルを開けていく。
この患者さんは9回でほぼ完治に持って来れたので、理想的に近い。
なぜなら、もっと早い回数であまりに早く効く患者さんは今度は免疫暴走の副作用も起こりやすく、結局は治療中断になってしまうからです。

2018/2/7

低用量オプジーボ治療の症例報告(10)

 今回の症例は、実は2016年7月15日記載の「免疫細胞療法+”低用量オプジーボ”」の症例報告(3)の61歳(現在62歳)胆管癌の女性のその後です。

 前回の報告では、初回オプジーボ単独40mgで既に腫瘍径が43mm→34mm、その後NKT+オプジーボ20mgで34mm→23mmと順調に縮小していました。
 しかしその後、厚労省から免疫細胞療法とオプジーボの併用に関する注意喚起が出たため、やむなく低用量オプジーボ20mg単独に切り替える。(未だに無視して併用治療を強行しているクリニックがありますが、大丈夫でしょうか?)
患者さんも渋々了解。

 幸い低用量オプジーボ20mg単独でも徐々に腫瘍は縮小し、併用治療も含めて計11回の治療が終わった時点での2017年7月のCT検査では「腫瘍影ははっきりしない」となる。

 以後、2〜3ヶ月に1回に治療間隔を開け、15回投与後の2018年1月26日のCT検査でやはり腫瘍を認めないとの結果を受けCRと判断。
 しかし、患者さんは再発が心配とのことで、相談の結果、副作用リスクのないNK細胞療法単独を時々行うことで合意。(CRなのに一応副作用のリスクあるオプジーボをダラダラ続けるわけにはいかない)

2018/1/15

低用量オプジーボ治療の症例報告(9)

83歳、女性。
住民健診で便潜血(+)を指摘され、平成29年6月14日に地域の基幹病院受診。
諸検査の結果、9月になりようやく左下葉の肺腺癌ステージ4と診断される。肝臓、右副腎、左腎臓、右下腹部皮下に転移ありと。
10月6日に正式に病名と病状を告知されるが、担当の先生の診療態度に不満を抱き、以後勝手に受診せず。(こうしたケースが少なくない)
その後、遠方の自費診療クリニックで超高濃度ビタミンC点滴を受けていた。
ご本人の最大の苦痛は肛門部の痛みであり、それは基幹病院担当医も自費診療クリニックの先生も「痔」という診断で外用剤が処方されていたが、
さらに別の肛門科に受診したところ、痔ではなく癌の転移だと。

ネットで色々調べて、12月11日に低用量オプジーボ治療の相談で当院に来院。
肛門部を拝見すると、まさしく肛門に鶏卵大の腫瘤あり。こんな巨大な外痔核(イボ痔)があるわけない。
(肛門科以前の先生たちは、これを見てもいないのだろう。いくら忙しくても、それはダメでしょ。あまり診たくない場所ではあるが。)
胸部レントゲン上、確かに左下葉に陰影あり、腹部超音波で肝転移も確認できた。

早速、オプジーボ投与開始。
3回投与後、4回目の投与のために本日(平成30年1月15日)来院。
胸部の陰影は縮小しているものの、未だ30%以上の縮小には達していない。
しかし、肛門部の鶏卵大腫瘤が跡形もなく無くなっていた!
確かに前回までは肛門部の痛みのためベッドで仰向けになれなかったのに、今日は仰向けに寝ている。
腫瘍マーカーも順調に低下しているので、明らかに効いている。


※やはりオプジーボは肺癌にはよく効くようです。
当院でこれまでに治療を受けられた肺癌患者さんの成績は、腺癌8名のうちCR(完全奏効)2名・PR(部分奏効)3名・SD(安定、つまり不変)1名・PD(悪化)2名、扁平上皮癌の1名もPR。
実に肺癌9名中66.7%の6名がCR+PRです。
そして、PRの患者さんのほとんどは引き続き治療を受け着実にCRに向かっています。
しかし、腺癌PRのうち1名は途中で免疫暴走(肝機能障害)が起きたため治療中止になり、現在は標準治療で分子標的薬による治療を受けています。
そうした残念なケースもあります。

2017/12/28

低用量オプジーボ治療の症例報告(8)

 最近、低用量オプジーボ治療をご希望される患者さんは状態が悪い例がほとんどで、そのためもあってかなかなか著効例がなかったのですが、久々にPR(30%以上の腫瘍縮小)の症例がありました。

 75歳、男性。平成28年6月に黄疸が出現し、精査の結果、十二指腸乳頭部癌ステージ2と診断される。8月に手術し例によって「全部取れた」と。後療法で抗がん剤治療開始したが、副作用強く中断。以後、外来で経過観察されていた。
 ところが、平成29年8月に多発肺転移が見つかる。別の抗がん剤治療開始し、2クール終わったところでPD(悪化)と判断され余命1年と宣告される。(早いな!) その後も抗がん剤治療を続けていたが、やはり副作用が辛いとのことで患者さんが継続拒否。

 当院に相談にみえ、胸部レントゲン上、確かに両肺に複数個の転移巣を認める。相談の上、11月15日より低用量オプジーボ治療開始。3回終わって2週間後の12月28日の胸部レントゲン写真で各転移巣はそれぞれ30%以上縮小しているし、腫瘍の陰影の濃度そのものが薄くなっている。腫瘍マーカーのCA19-9も140から72と半分に下がっている。免疫暴走の副作用も今のところ無いようだ。(抗がん剤の副作用の味覚障害は続いている)
このままCR(完治)まで一気に行くことを期待しています。どうか免疫暴走だけは起きませんように。




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