免疫療法 点滴療法 美容医療 名古屋 中区 上前津駅の まきクリニック

お知らせ

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2007/5/9

ガン免疫療法について

 ガンに対する免疫療法には、何を用いるかにより様々な方法があります。怪しげな民間療法は別にして、現状では傑出した方法はありません。 
 当院で一部のガン患者さんに対して細々と行なってきた免疫療法は、BCG-CWSという物質を用いる方法です。院長が勤務医時代に「肺ガン手術後の再発予防」のため大阪府立成人病センターの林先生が行なっていたBCG-CWSによる免疫療法をお手伝いしていたことがあるからです。しかし、最近BCG-CWS(厳密にはMDP誘導体)が生産中止になったため、入手できなくなりました。ですから今後BCG-CWSによる免疫療法をご希望される患者さんは、BCG-CWSを独自に精製しておられる大阪府立成人病センターもしくは林先生の個人開設クリニックにご紹介する形になります。
 代替品として、丸山ワクチンと同じ成分であるアンサー20という薬品を使用することは可能です。アンサー20はBCG-CWSと同様に結核菌から抽出された物質で、ガンの放射線療法に伴なう白血球減少症に対して使用する場合に限り保険診療も認められている薬品です。

 ひとつお断りしておきたいのは、免疫療法は患者さんへのダメージが少ないという意味では良い治療法なのですが、末期ガンを免疫療法で治そうというのはどう考えても無理があります。
 むしろ発ガンを心配する中高年に達したら、ガンになる前に予防的にこれらBCG-CWSやアンサー20などの投与を定期的に受けるということが最も免疫療法の力を活かす医療だと考えます。いわば「免疫力の若返り」です。当然、風邪などの感染症にもかかりにくくなると思われます。

2007/5/28

マイヤーズ・カクテル(Myers' Cocktail)導入

 マイヤーズ・カクテル(Myers' Cocktail)とは、米国のジョン・マイヤーズ医師により開発されたビタミンとミネラルによる点滴療法であり、今や全米の代替統合医療の標準的な治療法となっています。
 特別に配合されたビタミンやミネラルを点滴することにより、疲れが取れるというだけでなく、気管支喘息・偏頭痛・慢性疲労症候群・うつ病・線維筋痛症・アレルギー性鼻炎(花粉症を含む)などの各種疾患までもが改善するというものです。(疾患によって、ビタミンとミネラルの配合が微妙に変わります。)
 当院ではいち早くこのマイヤーズ・カクテルを導入しました。上記各疾患にお悩みの患者さんで既存の標準治療で改善が芳しくない方は、マイヤーズ・カクテルをぜひ試してみる価値があると思います。また全身倦怠や疲労だけでお悩みの方も、強力ニンニク点滴以上の効果が期待できます。
 1回20〜30分の点滴で、料金は\5,000です。
 

2007/9/26

点滴療法研究会マスターズクラブ会員になりました。

 本年9月25日付けで、杏林大学医学部教授・柳澤厚生先生のご厚意により点滴療法研究会([Web])のマスターズクラブに入会させていただくことになりました。

 美容系クリニックで一般に行なわれている美肌点滴やニンニク注射はいわばドンブリ勘定的なものであり、濃度の調整や薬剤の配合などを誤るといくらビタミンやミネラルの類とは言えトラブルも起こり得る治療です。しかし点滴療法研究会が発信する点滴内容は、科学的根拠に基づいたものであり安全性にも十分配慮されたものなのです。

 これからも点滴療法研究会の中部圏の一拠点として、正しい点滴療法の普及と発展のため精進したいと思います。

2008/2/18

メールカウンセリングの返信不能について

 最近、メールカウンセリングに対してこちらから返信できないという事例が増えています。「メールアドレスが間違っていた」ということであとで新しいアドレスを教えていただいた方もみえますが、そうしたケース以外はこちらからは対応のしようがありませんので放置させていただいてます。
 いただいたメールに返信しないということは決してありませんので、24時間以内に返信がなかった場合は今一度アドレスの間違いがないかなどをお確かめください。

2008/5/30

活性化自己リンパ球移入療法・NK細胞療法の開始

 当院は日本ではいち早く「高濃度ビタミンC点滴によるガン治療」を導入し、既に多くのガン患者さんが治療を受けられています。

 大病院での化学療法と併用されている方も多いのですが、中には化学療法の副作用を嫌って免疫療法などの代替療法を平行して受けている方もいます。
 
 そうした免疫療法の中でも活性化自己リンパ球移入療法やNK細胞療法などは、遠方までわざわざ足を運び1回30万円以上の高額な治療費をかけているというのが現状です。

 これら活性化自己リンパ球移入療法やNK細胞療法は、平成20年6月より当院でも出来るようになりました。当院では費用も1回16万円(税込み)で出来ますので、経費をかなり抑えることが出来ます。

 なお、樹状細胞療法も可能です。こちらは1回21万円(税込み)と高くなってしまいますが、それでも相場の半分近くで済むはずです。
 ただ、樹状細胞療法が上記移入療法より効果の面で上回っているというエビデンスは、現在のところ無いとのことです。

2009/5/11

低用量ナルトレキソン(LDN)によるガン治療開始

 当院でも低用量ナルトレキソン(LDN)によるガン治療を開始しました。

 ナルトレキソンとはオピオイド拮抗薬で、アルコール依存症や麻薬中毒の治療に使われる内服薬ですが、ナルトレキソンの低用量投与が免疫力を上げガンの増殖を抑制する働きがあるということで欧米で注目されています。
 アメリカ国立ガン研究所やミネソタ大学で臨床研究が進行中です。

 また、低用量ナルトレキソン(LDN)治療は多発性硬化症やクローン病、AIDSなどの難病にも有効とのことで、欧米で臨床試験が始まっています。

 低用量ナルトレキソン(LDN)は安価で副作用がほとんどないという点も魅力です。


 
 低用量ナルトレキソン(LDN)治療についての詳細はコチラ(↓)

   [Web]


2009/6/6

静脈内α-リポ酸+低用量ナルトレキソン(ALA-N)療法

 ガンの治療に有効と期待されている低用量ナルトレキソン(LDN)療法にα-リポ酸(ALA)の静脈内投与を併用するとより有効であるという報告があります。

 α-リポ酸はダイエット治療でも注目されている薬剤で、比較的安価な薬剤であり副作用もほとんどありません。

 ガンの治療に対して、それほど負担がなく出来ることは全てした方がよいという考えの下、当院もALA-N療法を導入することにしました。既に低用量ナルトレキソン(LDN)療法を開始している患者さんには是非お勧めしたいところです。

 ナルトレキソン3〜4.5mg連日内服(1日1回就寝前)に加えて、注射用α-リポ酸250〜500mgを週2回点滴するプログラムです。
 α-リポ酸は内服薬もありますので、それもさらに併用するといいでしょう。

2009/8/12

がん遺伝子検査の開始

 平成21年8月12日より当院でも「がん遺伝子検査」を開始しました。

 約20cc採血させていただき、血液中の「がん化」に関与する遺伝子の変異を調べ、PETなどの画像診断でも発見不可能なレベルの微細ながん細胞の存在リスクを評価し、がんの超早期診断を可能にします。
 この段階で開始する高濃度ビタミンC点滴や低用量ナルトレキソン療法の抗がん効果やがん予防効果はかなり期待できるものと思われます。

2009/11/30

子宮頸がん予防ワクチン(サーバリックス)取り扱い開始

 子宮頸がん予防ワクチンが、平成21年12月中旬にようやく日本でも発売されます。(商品名:サーバリックス(グラクソ・スミスクライン株式会社))
 ワクチン注射を筋肉内注射するだけですので、当院でも取り扱いさせていただきます。

 子宮頸がんは婦人科領域のがんの中で乳がんに次いで多く、20〜30代の女性で近年急増しています。
 発症リスクが高い原因のHPV(ヒトパピローマウイルス)の検出率も20〜30代の女性で高く、その後も感染リスクは続きます。

 サーバリックスは3回接種によりHPV(ヒトパピローマウイルス)に対する高い抗体価が得られ、その効果が20年間維持されるとされています。
 10歳以上の早い年齢への接種が推奨されていますが、20〜30代やそれ以上の年代のまだ発がんしていない女性にも接種する意義は十分あるそうです。

 日本では保険が利かず自費診療になります。当院の1回の接種費用は16,800円(税込み)になります。1回目の接種後、その1ヶ月後と半年後に接種が必要です。(計3回接種)

2009/12/18

子宮頸がん予防ワクチン(サーバリックス)接種費用の訂正

 子宮頸がん予防ワクチン(サーバリックス)の正式の発売日が平成21年12月22日(火)と決まりました。
 当初、メーカー(グラクソ・スミスクライン株式会社)は納入価格(病院の仕入れ価格)を120米国ドルと言っていたのですが、蓋を開けてみれば日本円で12,000円(税別)になったとのことです。(120ドル=12,000円??)
 そこで、大変申し訳ありませんが、当院のサーバリックス接種費用も予定していた1回14,000円から1回16,800円(税込み)に変更させていただきます。上記理由によるものですので、何卒ご理解ください。因みに、接種費用以外の初診料その他は一切かかりません。
 
 子宮頸がんの患者さんは当院にも何名かの方が免疫細胞療法その他の治療に通っておられます。いずれの方も手術で完治できなかった方々で、長い闘いになっています。
 ワクチン接種でがんが予防できるということは画期的なことです。

2010/2/22

木曜日の夕診終了のお知らせ

大変申し訳ありませんが、平成22年3月より木曜日の午後4時〜7時の一般診療は終了させていただきます。
理由は、木曜日は昼から夕方まで往診を行なっておりますが、往診患者さんの人数の増加に伴い従来の時間内に訪問診療が終われない状態になってきたからです。
何卒ご理解いただくようお願い申し上げます。

2011/9/29

免疫細胞療法の料金改定のお知らせ

 平成23年10月1日より免疫細胞療法の一部の料金を値下げさせていただきます。これは、一般に高額な免疫細胞療法に対して少しでも金銭的負担を軽くしようという趣旨であり、より積極的に治療をお勧めするという意味ではありません。
 これで細胞培養委託先である横浜の「横浜鶴ヶ峰病院( [Web])」とほぼ同じ料金で専門の免疫細胞療法を名古屋にて受けていただくことができます。

2016/1/23

オプジーボによる免疫チェックポイント阻害療法

最近話題の免疫チェックポイント阻害剤オプジーボによる「免疫チェックポイント阻害療法」を当院も導入することにしました。
免疫細胞培養をお願いしている先生によりますと、免疫チェックポイント阻害剤と免疫細胞療法との併用でかなり成果が出ている例があるようです。

メラノーマや肺癌では免疫チェックポイント阻害剤オプジーボは既に保険適応にもなっていますが、保険治療での免疫チェックポイント阻害療法は当然オプジーボ単独投与による治療です。
単独投与の場合、1回にオプジーボを100mg前後投与しますが、その量では副作用も少なからず出ていて死亡例もあるようです。

ところが、免疫細胞療法との併用では免疫チェックポイント阻害剤オプジーボの投与量をかなり抑えられ、オプジーボの副作用のリスクを下げられるだけでなくオプジーボにかかるコストも抑えられます。

2016/3/25

「オプジーボ」のFAQ

「オプジーボ」もしくは「免疫細胞療法+オプジーボ」に関するメールや電話でのお問合せが非常に多く、その全てに迅速に対応し切れませんので、このお知らせ欄に主要なFAQと回答を載せることにしました。
多いご質問から順次対応していきます。ご参考にしてください。
因みに、当院の治療費用についてのお問合せが一番多いのですが、
他院との比較広告になってしまいますので医療広告ガイドラインに抵触する可能性があり、当院の治療費用の理由についてここではコメントできませんので何卒ご了承ください。


FAQ(1)
 オプジーボ20mgというのは標準量よりかなり少ないのですが、リスクを減らすためとは言え、20mgとした根拠は何ですか?

(回答)
 根拠と言いますかエビデンスはまだありません。
 基本的に免疫細胞療法とセットでの治療を推奨していますので、標準量の100mg以上なんて免疫の暴走が怖くて出来ません。逆に、20mgでも安全とは言い切れません。
 ただ、免疫細胞培養をお願いしている先生の関連施設で免疫細胞療法+オプジーボ20mgの治療を既にかなりの人数に行っている医療機関があり、成果が出ている上に今のところ重大な副作用の報告もないので、その結果を見て当院も開始したという経緯です。あえて言えば、それが根拠です。患者さんにとっては「要は結果」ですからね。

 

2016/3/28

「オプジーボ」のFAQ(2)

「オプジーボ」のFAQ(2)
 オプジーボと組み合わせる免疫細胞療法は、具体的にはT細胞ですか?NK細胞ですか?

(回答)
今はT細胞(αβT)をお勧めしています。
NK細胞療法にもT細胞は一定数含まれておりますし、NK細胞のまさしくNK(Natural Killer)効果も捨て難いということでNK+オプジーボも行っていましたが、
培養の先生によりますと、T細胞のみ+オプジーボの方がより効果が出ているようだということですから。

これもあくまでも現時点での経験則です。
NK細胞療法も依然として捨て難いのですが。

2016/5/12

「オプジーボ」のFAQ(3)

「オプジーボ」のFAQ(3)
免疫細胞療法+オプジーボは1クールがやはり5回ですか?

(回答)
 先ず、免疫細胞療法+オプジーボに限らず、免疫細胞療法も1クールの回数が5回と決まっているわけではありません。即効性があるとは言い難い治療なので1〜2回で治療効果を判定するのはさすがに時期尚早であり、取りあえず5回前後やって治療効果を判定するという意味です。1クール分の治療費を最初に一括前払いという医療機関も多いので、5回くらいのまとまった回数を一区切りにして費用徴収したいという意味もあるのかも知れません。(当院は1回毎のお支払いです)

 これまでの傾向を見ますと、免疫細胞療法+オプジーボがよく効いている例では、最初の2〜3回で明らかな効果を見せています。ですから、当院としましては先ず3回もしくは4回の効果を見て、その後も続けるかどうか患者さんと相談するという形を取りたいと思います。
 明らかな効果が出ている患者さんは癌が消えるまで続けるでしょうが、問題は横ばいというケースです。その場合は、あくまでも患者さんの意思にお任せしています。少なくとも進行は抑えているわけですから心情的には続けたいところですが、高額な治療のため求められる結果も大きなものが期待されているでしょうから、こちらから継続はなかなかお勧めしにくいところです。

2016/5/13

免疫細胞療法+オプジーボの症例報告と気になる点

 当院の免疫細胞療法+オプジーボを受けておられる患者さんの症例報告です。

 肺癌(扁平上皮癌)ステージ4の男性で、これまでに標準治療も含めてありとあらゆる治療を受けてこられました。最近PD(つまり悪化)になったが基幹病院でオプジーボを使ってくれないとのことで(その理由の詳細は不明)、当院の免疫細胞療法+オプジーボを受けることになりました。
 1回目の治療直後から最近毎日出ていた血痰が止まり、2回目が終わった時点で肺の影が明らかに小さくなりました。このように、効く人は数回で明らかな成果が出ることがわかりました。これが先ず最初の驚き。
 (注:あくまでもそういう患者さんがいる、という話です)

 ただ、この患者さんは3回目の治療後あたりから軽い味覚障害を感じるようになりました。この人は体重が90kgの巨漢です。オプジーボ単独なら1回に270mg投与されるべき患者さんです。当院で投与したオプジーボは20mgで、その13分の1以下の量です。これが次の驚き。
 考えられることは2つ。
(1)味覚障害が免疫暴走の症状であれば、免疫細胞療法に加えるオプジーボが体重90kg当たり20mg(0.22mg/kg)でも免疫暴走は起き得る。(その代わり効果も出ている)
(2)味覚障害が免疫暴走の症状ではなくオプジーボという薬剤そのものの副作用だとしたら、標準量の13分の1以下の量でも起きている。副作用が用量依存性でなければいいが、もしそうなら270mgなんて投与していたら一体どうなってしまっていたのか?味覚が全く無くなってしまったのではないか?
 免疫異常の例えばシェーグレン症候群の発症を疑うような他の症状が皆無なため、今のところ(2)の方の可能性を疑っています。この問題のため、この患者さんの今後の治療継続の可否について思案しているところです。少なくとも治療の休憩は必要でしょう。

2016/5/25

「オプジーボ」のFAQ(4)

「オプジーボ」のFAQ(4)
もうひとつの免疫チェックポイント阻害剤のヤーボイは出来ますか?

(回答)
 ヤーボイも薬剤を仕入れることは出来ます。何よりも問題なのは、ヤーボイの薬価がオプジーボよりも更に高額ということです。
 理論的にはオプジーボとヤーボイを併用すると免疫チェックポイント阻害の効果はより上がり、また実際にそういう報告もあります。
 当院としましては、もしもオプジーボの成果が芳しくなかった患者さんがヤーボイを試してみたいと仰った場合に限り対応したいと考えます。1回で使用するヤーボイの量はオプジーボと同様に20mgとさせていただきます。(もちろん、免疫細胞療法との併用を前提とした話です)

2016/6/25

免疫細胞療法+オプジーボの症例報告(2)

あくまでも一般の方に向けての症例報告ゆえ、簡単に述べます。

(1)65歳男性、前立腺癌(ステージU)
 2008年に発見され、以後、陽子線治療やホルモン治療などを受けてきて平衡状態(良くも悪くもなっていない)。既に8年以上経過しているので現状のホルモン治療の継続を勧めるが、消せるものなら消したいのでと治療を希望。わずか2回の治療で一旦腫瘍は消える。当然の事ながらPSA値も著明に減少。

(2)89歳男性、頭頸部癌(ステージ不明。ステージその他詳しい説明なく、高齢のためか緩和ケアに行きなさいとサジを投げられる)
 2015年暮れから左頚部に腫瘤が出現。高齢でも認知症なくしっかりしているので、希望により治療。頚部の腫瘍は径4cmあったが、最初の1回目の治療で既に腫瘍は縮小傾向。しばらく治療を継続する予定。(現時点程度の成果は抗がん剤でも得られるでしょう。ただし、抗がん剤の副作用は89歳には厳しい。)


一方、芳しくない症例もあり。
(3)51歳男性、肺腺癌(ステージ3Aで手術し抗がん剤治療した後、1年後に再発)
 再発部分の再手術を勧められたが、嫌なので当院の治療を希望。3回治療したが、再発した腫瘍が少し大きくなってしまった。患者さんはオプジーボ増量もしくはヤーボイ併用を申し出ているが、こちらが思案中。当院としましては、3〜4回の治療で明確な成果が出なかった場合は、諸般の事情を考え、基本的にこちらからは治療の継続をお勧めしないからです。

(4)70歳女性、肺腺癌(ステージ2で手術したが約1年後に再発し抗がん剤やイレッサ使用するも進行)
 4回治療したが進行は止まらない。


※以上(1)〜(4)の症例は、いずれも現状で治療による副作用は生じていない。
※(3)、(4)の症例は、いずれも病院でオプジーボ標準量での治療希望は受け入れられなかったため当院の治療を希望。
※(1)・(2)と(3)・(4)の成果の差は、(3)・(4)が「前に抗がん剤治療を受けていたため、そもそも免疫力自体が低下していたためであろう」などと、それもわずか2症例を持って安易に申しません。
  
 

2016/7/15

「免疫細胞療法+”低用量オプジーボ”」の症例報告(3)

61歳、女性(韓国)、胆管癌(ステージ3)
 平成28年5月に癌が見つかり韓国の病院でPDTという治療を1度受けて結果が芳しくなく、抗がん剤治療を勧められたが拒否し、友人の紹介で来院。
 場所が胆管合流部(いわゆるKlatskin腫瘍)でまずい場所のため早急に治療したいということで、免疫細胞培養の2週間を待つ前に先にオプジーボ単独40mg投与。
 2週間後の治療直前に腹部超音波検査したところ、初診時に直径43mmあった腫瘍が既に34mmに縮小。
 その2週間後、2回目の治療直前の腹部超音波検査では更に23mmに縮小していた。

まだ治療継続中だが、注目すべきは初診時のオプジーボ単独40mgでも成果があったこと。(PDTという治療の成果が遅れて出てきたのでは?と反論されるかも知れませんが)

2016/8/10

オプジーボに対する迷走

今回は、お知らせと言うよりただの個人的感想です。

8月5日、米国ブリストル・マイヤーズスクイブ社が発表した。
オプジーボを非小細胞肺癌にファーストラインで使用した場合の抗がん剤に比べての有効性を示せなかったと。
つまり、オプジーボを最初に使ってもあまり効かなかったと。(なにせ抗がん剤と同等以下なのだから、効かないってことだ)
何を今さら。
では、既に米国でも日本でも承認されている「先に抗がん剤使ってセカンドラインでオプジーボ使用」なら効くと?
そんなわけないでしょ、素人が普通に考えても。
それどころか、抗がん剤や分子標的薬との併用は危険だと日本の厚労省も注意喚起したばかりであるから、そのリレーってそもそも大丈夫なのか。

オプジーボのライバルのヤーボイはファーストラインで効くようだ、とも言っている。
その代わり、ヤーボイはオプジーボより更に高い薬である。(高価だと問題になっているオプジーボの約3倍!)
そして、日本の小野薬品の株価は急落し、上記発表した米国ブリストル・マイヤーズスクイブ社はヤーボイがあるのでおそらく安泰。
オプジーボと同じ抗PD-1抗体のキートルーダを製造販売する米国メルク社の株価は上昇。
キートルーダもオプジーボの価格の2倍以上するにも関わらず、今年中に日本で承認されるらしい。(同じ抗PD-1抗体だから効果はさして変わらないだろ!)
これって、医療の本質とは別次元の壮大なデキレースか何かだろうか?
なにしろ相手は米国。
だったら、その流れをブッタ切るようなことを目立つようにやっては消されかねないので、低用量オプジーボ治療を信じてくれた人だけに細々とひっそり続けるしかない。


しかし、「それでも地球は回っている」、じゃなくて「それでもオプジーボはファーストラインで効いている」いや「それでもオプジーボはファーストラインでこそ効いている」。
それも標準量よりもっともっと少量で。
もちろん全員にではありませんが(←これ書かないと、すぐクレーム来ます)、
20〜30%どころか自経験では過半数の患者さんに効いています。

2016/9/12

「免疫細胞療法+”低用量オプジーボ”」の症例報告(4)

66歳男性、十二指腸癌+多発肝転移
 
 平成27年1月に高度貧血で十二指腸癌(ステージ3)発見され、手術。術後に抗がん剤治療も行ったが、平成28年1月に肝臓に複数個の転移が見つかる。
以後、抗がん剤治療を繰り返すが、肝転移は増大の一途。
平成28年6月に当院受診。初診時、超音波検査上で肝臓に少なくとも3個の腫瘤を認め、最大のものは直径約70mm。それよりも腫瘍マーカーがとんでもないことになっていて、CEA 1254.5、CA19-9 3385.0。
抗がん剤後であるから効果は不透明ということや治療リスクはご納得頂き、免疫細胞療法+オプジーボ20mgの併用治療開始。
4回終わった時点の9月現在、最大の肝転移は70mm→40mmに縮小。(その他の肝転移も縮小)
それよりも何よりも、腫瘍マーカーCEAが1254.5→13.0、CA19-9が3385.0→51.2と激減。
経過良好で全身状態も問題ないので、治療間隔を開けてしばらく継続予定。

抗がん剤を長期に続けてきた患者さんでも、「免疫力が・・・」とか「リスクが高いから・・・」などと諦めずやってみる価値があると知らされた例です。

2016/9/13

低用量オプジーボ治療の症例報告(1)

67歳男性、肺扁平上皮癌(ステージ4)

平成28年4月、健診で右肺の異常影が見つかり、精査の結果、上記診断される。
ヘビースモカーのため肺気腫と肺の間質性変化(病院では間質性肺炎と言われている)があり手術は出来ないと言われ、抗がん剤を勧められるが拒否。

平成28年8月、ネットで調べて当院受診。
免疫細胞療法+オプジーボ20mgを希望されたが、折しも厚労省からの注意喚起があって併用はやりにくいことと、間質性肺炎発症のリスクが高い患者さんであることから、オプジーボ20mg単独で渋々納得してもらい1回目の治療開始。

ところが2回目の治療のために来院時に「やはり心配だから免疫細胞療法併用でやってくれ」と。
すったもんだの上、胸部レントゲン撮影して変わってなかったら併用に切り替え、改善が見られたらこのままオプジーボ単独で継続しましょうということになる。
さすがに1回やっただけで胸部レントゲン上の改善は難しいと思ったが、いざ撮ってみると右肺の腫瘍影が明らかに改善している。と言うか、既に消えかかっている!
ということで、オプジーボ20mgのみ投与しました。
リンパ節転移も全て消えるまで継続予定。


この前にも数件「オプジーボ20mg単独でも効くなあ」と思わされた経験あり、しかも効果発現が早い。
効果発現が早いということは、裏を返せば「効いていない」という判定も早く出来る。
あまり効果が出ていないのに高価な治療をいたずらにダラダラ続けるという弊害も無くせます。

2016/9/16

低用量オプジーボ治療の症例報告(2)

89歳男性、大腸癌+肝転移

平成26年4月に横行結腸に大腸癌が見つかる。
高齢のため手術が出来ないとのことで、抗がん剤治療開始。
しかし、副作用のため3クールで中断。
以後、在宅専門クリニックによる緩和ケアに入り、病院では3ヶ月に1回の経過観察ということになる。

平成28年2月、免疫細胞療法を希望して当院受診。
超音波検査上、上腹部に径60mm強の腫瘤を認め、いつ腸閉塞が起きてもおかしくない状況。
そのため、あえてオプジーボの話はせず、ご希望通りに免疫細胞療法を開始する。(もちろん、治療効果の期待値は限りなく低いことは了解していただいて)
この時点でオプジーボの話をしなかったのは、さすがにこの状況からの逆転は難しいだろうと考えたことと、ここで治療による副作用のトラブルが起きたらとどめを刺すことになるという懸念から。

平成28年6月、病院でのCT検査で新たに肝臓に3箇所の転移が見つかる。
この時点までで免疫細胞療法は6回行っていて、PD(癌は進行)。
しかし、全身状態がそれほど悪くなかったため、ここであえてリスク犯して最後の切り札として低用量オプジーボ(20mg)治療を提案し、了承受けたため開始。

平成28年8月、2回の低用量オプジーボ治療が終わった時点で、問題の腹部腫瘤はなんと60mm→28mmと半分くらいに縮小。超音波検査上、肝転移は見当たらない。

平成28年9月、4回の低用量オプジーボ治療が終わった時点で、当院での超音波検査では遂に問題の腹部腫瘤が見当たらない。消えたとまでは言えないが、径60mmの頃は超音波検査のプローブを当てた瞬間に上腹部に鎮座していた腫瘤です。
相前後して行われた病院での血液検査で貧血や栄養状態の著明な改善に主治医が非常に驚き、10月にCT検査が予定された。
主治医の先生、驚くのはまだ早いですよ。CTの結果の方が衝撃的だろうと思います。


どういう根拠か、オプジーボは大腸癌や乳癌などには効かないという情報がありましたが、このように大腸癌にも効いています。
癌の種類の問題ではなく、その患者さんの免疫力などの問題の方が大きいのではないでしょうか。
ただ、この患者さんの場合、治療当初の全身状態は決していいものではなかったので、6回の免疫細胞療法もオプジーボの効果に寄与しているのかも知れません。

2016/10/29

低用量オプジーボ治療の症例報告(2)の続き

89歳の大腸癌+多発肝転移の患者さん、
10月下旬に行われた病院のCT検査で大腸癌は消失し、多発肝転移も痕跡に。
低用量オプジーボ治療5回やっただけの成果です。
油断せず、今後は当面2か月に1回にトーンダウンして治療を継続する予定。

ねっ、主治医の先生。
驚くのはまだ早かったでしょ?

2016/11/19

オプジーボの副作用

52歳の男性。
平成28年7月に肺炎で入院した際に肺腺癌が見つかる。
既に脳にも転移がありステージ4。
当然のことながら抗がん剤治療を勧められたが、抗がん剤治療に対して偏見があり拒否。
いろいろ調べて、10月になり当院にオプジーボ治療を希望して来院。
オプジーボ20mgによる治療を開始。
1回治療しただけで、咳が止まり背中や頚部の痛みが軽減。
3回治療した時点で、既に両鎖骨上リンパ節の腫れはなくなり、肺の原発巣も縮小。

ところが、3回目の治療時に調べた血液検査で軽度の肝機能異常を認めた。
数日後に再検査したら、なんとGOTもGPTも一気に800 U/L超え!(正常は30U/L以下)
診断を受けた中核病院の主治医とケンカ別れしてしまっているため、取りあえずこちらでステロイド治療開始。
1週間でいずれの数値も2桁台に落ち着いてきたため、ひとまず安心。
問題はその後の積極的治療をどうするかで、オプジーボはもはや使えない。
明らかに効いているので非常に残念。
ご本人はヤーボイに賭けてみたいと言うが、思案中。
理論的には、ヤーボイの方が免疫暴走のリスクが高いような気がするので怖い。


これで、当院でのオプジーボ治療による肝機能障害は2例目。
(1例目は、最初に癌の診断をした大学病院が快く(?)治療を受け入れてくれ、改善)
他に、治療は継続しているが味覚低下2例と、因果関係あるかどうか不明だが両手の小指のみ痺れるという人が1例。
割合として10人に1〜2人に何らかの副作用が起きた計算。
ということは、標準量での副作用発生率とあまり変わらない。

オプジーボの副作用は用量依存性ではないようだ。
つまり、200mgだろうが20mgだろうが、同じように起きる時は起きる。
しかし、今のところ当院の治療の有効率は70%前後。
ただし、その効いた70%の人のうちでも10〜20%の人は副作用のため脱落する。
う〜ん、悩ましい。
ヤーボイはあまりやりたくない。オプジーボより更に高いし。

2016/12/19

低用量オプジーボ治療の症例報告(3)

患者さんは、74歳男性。
平成28年8月初め頃から背中の痛みが出現。近医でCT撮影し異常を指摘され基幹病院に紹介される。
基幹病院の諸検査にて、肺に陰影あり既に骨転移・肝転移・腹腔内転移あると。
この時点で、余命10ヶ月〜1年と宣告される。

9月26日の生検結果待たず、9月24日にオプジーボ治療の相談で当院に来院。
病院が治療に消極的だとのことで、合意の上オプジーボ20mgいきなり投与開始。

10月8日、2回目のオプジーボ投与のため来院。
結局、肺癌の組織は扁平上皮癌だった。
胸部レントゲン検査で右肺の原発巣は少し大きくなっていたが、左肺の肺内転移は消えていた(?)
微妙な結果なので、もう1〜2回はオプジーボ試してみることになる。
病院では10月13日より胸椎の転移に放射線治療を開始することになった。(脊髄損傷回避のため)

2回目のオプジーボ投与後に背中や下肢などの全ての痛みがなくなった。
ところが、放射線治療開始3日目に背中に激痛が出現し歩行出来なくなる。
放射線を当てた胸椎の骨転移が急に大きくなり脊髄を圧迫しているため、と判明。
胸椎の外科手術をすることになる。
問題は、この時の胸部レントゲン検査で右肺の原発巣が非常に小さくなっていたと。

胸椎の手術が無事に終わり、11月9日に未だ入院中だが外出して3回目のオプジーボ投与のため来院。
確かに当院での胸部レントゲン撮影でも肺の影は全て消えていた!

ところが、11月26日の4回目のオプジーボ投与で来院した際に、右肺の原発巣が胸部レントゲン上で薄く再発していた。
2回目と3回目の治療が手術の影響で1ヶ月開いたせいかも?といいように解釈して、そのまま4回目の投与施行。

12月10日、5回目のオプジーボ投与のため来院。
胸部レントゲン検査で再び右肺の再発した原発巣は前回より縮小。
まるで小細胞癌かと思われるような展開の目まぐるしさである。


この時点で基幹病院もこの患者さんに対するオプジーボの有効性を認識したらしく、
患者さんに以下のような提案があった。
(1)先ず内服の抗がん剤(TS-1)を前振りで少しの期間飲んでもらい、患者さんに食欲不振を(有っても無くても)訴えてもらい、すぐ中止。
(2)セカンドラインとして、その後に保険でオプジーボ治療を開始する。もちろん、標準量で。
病院と患者さんとのデキレースであり保険診療としてはかなりグレーだが、患者さんにとっては病院側の今回の配慮は幸運です。
おそらく効くと思われますし。

2017/1/25

低用量オプジーボ治療の症例報告(4)

患者さんは71歳の男性。
平成28年3月中旬より咳が出現。4月中旬になり左頚部の腫瘤に気づき近医受診。
すぐ地元の中核病院に紹介される。
諸検査にて左肺の腺癌と判明。左頚部腫瘤は頚部リンパ節転移。ステージは4。
抗がん剤治療を勧められ、治療しても余命1〜2年と宣告される。

余命1〜2年では困るとのことで、抗がん剤治療は拒否。
6月に知人の紹介でオプジーボ治療希望して当院に来院。(なんと、中核病院の担当医が普通に紹介状を書いてくれている)
こちらでも余命が延びる保証はないとの同意の下、低用量オプジーボ治療開始。
1回治療後に先ず咳が改善。
2回治療後に咳がほとんどなくなり、左頚部リンパ節の大きさが明らかに縮小。
3回治療後、胸部レントゲン上の肺癌の陰影が明らかに縮小。左頚部リンパ節は触れない。
この時点で明らかに治療が奏効していると判断し、治療継続を決める。幸い血液検査上も問題なし。腫瘍マーカーの中で唯一異常値を示していたCYFRAも正常値になる。

最終的に8回治療した時点で、中核病院にPET-CT依頼。
通常のCTでわずかに残る左肺の陰影がPETでは全く染まらず、マクロレベルでは一旦治癒とした。
しかしミクロレベルではわからないので、再発予防として今後しばらく2ヶ月に1回の頻度で治療継続することになる。

2017/1/27

超高濃度ビタミンC点滴もバカにはできない。

 当院は超高濃度ビタミンC点滴治療(以下、IVCと略す)も行っていますが、さすがにこれ単独で固形癌が消えたという症例は経験がない。(そもそも、いるのか?)
 この治療を受けている患者さんのほぼ全ては、標準治療の方の主治医の先生からは「そんなもの受けてもしょうがない」「気休め」と言われます。(まあ、仕方ない)
 
 しかし、以下の2例を経験したのでご紹介。

(1)(現在)68歳の男性。平成22年7月に左腎臓の腫瘤が見つかり、癌が疑われ手術を勧められるが拒否。(拒否する何ら明確な根拠なし)
 どこかでIVCについて知り、来院。常識的には手術すべきとこちらでも説明するも翻意なく、「効かなくても知りませんよ」と申し上げて治療開始。
 当院としても超音波検査で腫瘤の経過を追うが、変化ないので望まれるまま治療を継続。
 ずっと問題なかったが、平成28年5月になり血尿が出るようになったため、さすがに観念して元の病院を再診。7月に今さらながら手術を受けた。結果はやはり腎臓癌(明細胞癌)だった。術後の抗がん剤治療は、これまた拒否。
 現在、最初に腫瘤の存在を指摘されてから6年半。手術受けて未だ半年なので今後の事はわからないが、癌を放置したまま血尿出るまでの6年間無事だったのはIVCのおかげなのか?

(2)(現在)59歳の女性。平成22年秋頃から腹部腫瘤の存在に気づく。平成23年1月になりようやく病院で精査受け、濾胞性悪性リンパ腫と判明。当然のことながら抗がん剤治療を勧められるが、拒否。
 東京の或る代替医療クリニックでIVCを吹き込まれ、平成23年5月にIVCやっている地元の当院受診。例によって抗がん剤受けるべきという話には耳を貸さず「知りませんよ?」と申し上げてIVC治療開始。
 ところが、初診時に超音波検査にて径8cmあった腹部腫瘤が、IVC開始半年後に見えなくなる。(やはり悪性リンパ腫に限ってはよく効く!)
 その後もず〜っとIVC治療を続けてきて、平成29年1月に元の病院で久々にCT検査してもらったところ、やはり腹部腫瘤は消失していた。主治医の先生曰く「奇跡です」と。(あくまでもIVCは否定したいのね) 他の場所に怪しいリンパ節を散見するらしいが、これまでの経過を考え主治医ももはや抗がん剤は勧めていない。
 発病から6年以上、IVC開始から5年半以上経過していて、ずっとお元気です。この患者さん、割と有名なブロガーさんですが、この奇跡(?)については一切書いていません。

2017/2/3

オプジーボの薬価について。

 平成29年2月よりオプジーボの薬価が半額になったことで、当院にもオプジーボ治療の料金の変更(値下げ)はあるか?というお問合せが殺到しています。

 先ず、結論から申し上げますと、料金の変更はありません。
 理由は、我々診療所が購入している海外からの輸入オプジーボの薬価に変更はないからです。一部の病院にだけ卸されている国産の小野薬品製オプジーボの薬価が半額になっただけです。
 そもそも値下げ前の小野薬品のオプジーボの薬価は20mg当たり15万円強。当院のオプジーボ20mg当たりの治療代が15万円(税込み)。小野薬品のオプジーボが仮に使用できたとしても、20mg当たり15万円でやれるわけがありません。値下げ前の小野薬品の薬価が高過ぎたということです。
 因みに、小野薬品のオプジーボが半額になっても病院では標準量(3mg/kg)で投与されますから、例えば体重60kgの患者さんで1回の使用量が180mg。オプジーボだけで1回67.5万円の医療費がかかります。依然として高額な費用がかかる治療です。

2017/5/10

低用量オプジーボ治療の症例報告(5)

患者さんは23歳男性。
右手から発生した滑膜肉腫と言う珍しい肉腫。平成28年に大学病院で手術。しかし、1年後の平成29年1月に肺に多発転移が見つかる。
外科お得意の「全部取りました」という執刀医の言葉を「完治した」と解釈していたため、家族が激怒し大学病院での治療を拒否。
その後いろいろ転々として(アメリカの高名な専門医にも会いに行っている)、わけあって当院にオプジーボ治療の相談のため来院。

なにしろ肉腫。癌よりタチが悪い。
「オプジーボが効くかどうか全くわからない」と正直に申し上げた。実際、肉腫に対する治療経験もないし、家族が必死で責任重大だし。
家族はお金が十分ある人らしいので、NK細胞療法+オプジーボ+ヤーボイの重厚な治療を売りにしている他院に相談に行くよう勧める。(それがいいという意味でなく、当方が全く自信が無いので逃げただけ)
しかし、リスクも出来るだけ避けたいと言うこと聞かず、仕方が無いのでオプジーボ治療を引き受けた。
本人は体重90kg近くの巨漢ゆえ、さすがにオプジーボを当院通常の倍の40mgで開始。

ところが、当方の暗〜いモチベーションに反して、オプジーボ40mg3回投与後に既に胸部レントゲン上で確認できる転移巣は見えなくなった!
次のCT検査が6月のため、CT上では残存しているのかそれともCT上でも消失しているのかは未だ不明だが、少なくとも改善はしている。
肉腫にもトライしてみる価値はあるようだ。


※ ここでお断りしておかなければならないのは、このように肉腫にさえ効いたという良い成果だけではないということです。
これまで、肝細胞癌や乳癌の症例で明らかに歯が立たなかった例もあります。
逆に、肝細胞癌や乳癌で効いている人もいますが、その差が何によるのかはわかりません。
現状、そういう治療だということを改めて強調しておきたいと思います。

2017/7/8

低用量オプジーボ治療の症例報告(6)

患者さんは49歳の女性。
平成27年10月に子宮頸癌で子宮全摘術を受ける。
平成28年5月に再発し、抗がん剤と放射線治療を受けて腫瘍縮小し、一旦経過観察となる。
しかし、平成28年11月に再々発し、抗がん剤治療3クール受けるが更に悪化。腫瘍は膀胱や大腸にも浸潤。骨盤底全摘術を勧められるが、さすがに患者さんが拒否。

平成29年2月に当院に相談に来院。
当院での腹部超音波検査においても、膀胱内に浸潤した腫瘍塊を確認できる。
ご希望により低用量オプジーボ治療開始。
1回目の投与直後に下腹部痛があったと。(経験上、悪いサインではない)
2回目の投与後から血尿が出るようになった。(これも悪いサインではないと思っておいた)
3回投与後あたりから、超音波検査上、明らかに膀胱内の腫瘍塊が縮小し始めた。
4回投与後から血尿が止まる。
6回投与後、超音波検査上、膀胱内の腫瘍は見当たらなくなった。(大腸への浸潤など他の変化はわからない)

7回の治療が終わった時点で手術等を受けた病院でCT検査が行われ、CT上、腫瘍は全て消失。
担当医は「前に行った抗がん剤が遅れて効いたのだろう」とのコメントだったと!!
えっ? じゃあ、なんで骨盤底全摘なんて過激な手術を勧めたの?というような面倒くさいことは言わず、
患者さんと相談して、いきなりの治療中止はさすがに不安なので、当面2ヶ月に1回低用量オプジーボの投与を続けることにした。

当院として婦人科の癌での初のCR症例で、素直に嬉しい。

2017/8/25

低用量オプジーボ治療の症例報告(7)

患者さんは51歳女性。
卵巣癌で何度も手術(なんと8回!)や抗がん剤治療を繰り返してきていて、転移のため右肺も下半分切除している。
しかし、肺に新たに転移が見つかり、標準治療ではもはや打つ手なしとのことで、平成29年7月に当院受診。
胸部レントゲン写真で、確かに残された右肺や肺門部に腫瘍影を認める。

相談の上、低用量オプジーボ治療をやってみることになり、早速初診時に1回目投与。

ところが、2回目投与予定の直前に患者さんから連絡があり、
癌がよりによって健側(手術していない側)の左肺に行く主気管支を閉塞してしまい、左肺が無気肺(肺に全く空気が入らない状態)になってしまったと。
つまり、肺が4分の1しか機能していない状態になってしまったため、常時酸素を吸っている状況で、来院できないとのこと。
とにかく1回投与しただけで終わっては意味がないのでと、特別に往診して2回目投与。

その後、近くの地元の医院の先生が協力してくれ、その先生により更に2回投与した段階で問題の無気肺が解除された、つまり気管支を塞いでいた腫瘍が小さくなったという報告がありました。

「一時的な現象じゃないか?」とか「まだ顛末はわからないじゃないか」とかイジワル言うことなかれ。
とりあえず効いていなければ無気肺の解除が起きるわけがない。
それどころか、4回の投与で明確な成果が出ている以上、この患者さんの完治も決して夢ではない。

2017/9/11

オプジーボ20mg投与の経緯について(1)

 オプジーボを自費診療で20mg〜40mg投与しているクリニックがいくつか有るようで、そうしたクリニックに対して標準治療の一部の先生たちからの以下のようなコメントをネット上で散見します。
(1)「20mgとかで効くわけがない。」
(2)「20mgなら副作用のリスクが低いので、効かないとわかっていながらビジネスの為にやっている。」
(3)「自費で標準量となると料金を支払える患者は稀なため、何とか手が届く料金の20mgにしている。効かなくてもいいから。」
(4)「副作用が起きた場合に対応できないにも関わらず、ビジネスの為にやっているのは患者にとって危険なこと」

(1)に対して、現実に効いている患者さんがいます。それは事実です。
(2)に対して、自経験から20mgでもそれほど副作用のリスクは低くなってはいない。行っているクリニックが、そのことに気づいているか気づいていないかはともかく、リスクは犯しています。
(3)に対しては、「よくそこまで言うわ」しかないです。
(4)に対して、対応できなくはないし、実際に病院に撥ねつけられた患者さんを仕方なく自院で副作用の治療をし治した事例があります。しかし、患者さんの安全のためには病院が意地悪言わず対応してくれてもいいのでは?

 正直、上記の批判コメントが当たらずも遠からずというクリニックがあるかも知れません。
そこで、当院がオプジーボ20mgの投与を始めた経緯について何回かに分けて詳しく説明しておこうと思いました。別に標準治療の先生の理解なぞ求めておりません。癌患者さんに少しでもわかっていただければという期待を込めて。少なくとも上記の批判に当てはまると思われるのは、さすがに心外ですから。


 当院が低用量オプジーボ療法を始めた経緯は、その投与量20mgも含めて全く偶然の産物です。
 最初は大変お世話になっている先生からの或る提案がありました。「免疫細胞療法に少量のオプジーボを併用すると抗癌効果が高いのではないかと思われるので、やってみては?」と。しかし、脚光を浴びている新薬を使ったこれまでに無い治療の先陣を一介の診療所が行うわけには、と及び腰になっていました。ところが、すぐそれに食いついた別の診療所があり、おまけに派手に宣伝して最初からかなりの癌患者さんに上記治療を開始したのです。それはそれで如何なものかとは思いましたが、その診療所の細胞培養スタッフが旧知の関係だったため情報が入り、劇的な成果を出している症例がいくつもあることを知りました。それも大きなトラブルもなく。この診療所の先陣を切った暴走には、今では感謝するしかないです。
 それらの成果を確認し、当院でも平成28年1月より免疫細胞療法+低用量オプジーボの治療を開始しました。オプジーボ量20mgというのも前出の先生の提案です。根拠はありません。免疫細胞を大量に戻すゆえ、オプジーボの投与量をかなり絞らないと免疫の暴走が怖いということからです。10mgで始めてもよかったくらいです。そして、当院でも衝撃的な成果をすぐ経験することになりました。なおかつ、その効果発現が早いのです。

(続く)

2017/9/11

オプジーボ20mg投与の経緯について(2)

 当初よりオプジーボの薬価の高さ(20mg当たり15万円強)も話題になり、「いい気になって使用していると我が国の保険財政が破綻する」というようなオプジーボに対してのネガティブ意見も少なくなかったのですが、そうした世の流れの中で平成28年7月中旬頃に「免疫細胞療法とオプジーボの併用で副作用による死亡者が出た」という報道が為されたのを契機に本格的にオプジーボのネガティブ・キャンペーンが始まりました。
 そもそもその事件は、標準治療の病院でオプジーボ標準量が投与された患者さんに別の民間クリニックが免疫細胞療法をしてしまい免疫暴走が起きてしまったというのが真相のようで、それは最もやってはいけないことなのです。ですから20mgという少量にしているわけです。しかし、報道ではそこまで詳細に報じていませんので、一般の人は「免疫細胞療法+オプジーボ=危険」という図式にしか捉えません。オプジーボに対するイメージも悪くなります。
 厚労省からも免疫細胞療法を行っている各医療機関に注意喚起が為されました。更にはオプジーボを名指しして医薬品輸入代行業者には「国内に代替品がある医薬品の個人輸入は原則認められない」という旨の通達もありました。(小野薬品製造のオプジーボは販売先医療機関を厳に制限していますので、それ以外の医療機関は米国ブリストルマイヤーズ・スクイブ社製のオプジーボを海外から個人輸入しています)
 当院で治療を受けていた患者さんの半数くらいも上記報道により動揺し、せっかく治療が効いているのに辞めてしまったという患者さんも出ました。そこで、厚労省からの注意喚起もあったことから少量のオプジーボのみの治療に切り替えました。なぜなら、たまたまですがその事件の少し前から、実は少量オプジーボ単独でも行けるのではないかという考えもあったのです。

 あまりに悪い全身状態でこの治療に賭けたいと来院する患者さんもいます。それらの患者さんの中には免疫細胞の培養が完成する2週間後まで無事でいるだろうか?と心配になるような状態の患者さんもいました。そこで「何もしないよりは」と患者さんご納得の上で少量のオプジーボのみ先に投与しておくという事例がありました。すると、そのうちの何人かは無事に2週間後に免疫細胞治療のために来院した際に、既に癌が縮小している現象が見られたのです。たった1回のオプジーボ20mgの投与で、です。

(続く)

2017/9/13

オプジーボ20mg投与の経緯について(3)

 オプジーボ20mg単独にしてからも治療成果は大して変わっていない印象ですから、そもそも免疫細胞療法との併用自体が必要なかったのかも知れません。(抗がん剤治療などのために免疫力がよほど落ちているというケースは別ですが)
 ここでその治療成果についてですが、当院での未だ50名にも満たない症例数ではデータとしてあまり意味がありませんが、CR(一旦腫瘍が画像上消えた症例)12%、PR(腫瘍が30%以上縮小した症例)26%、SD(腫瘍は縮小していないが悪化もしていない症例)29%です。CRとPR合わせて38%。「取りあえず生命を落とさない」という最低目標としてSDまで含めれば、67%の患者さんが達成しているわけです。標準治療において「オプジーボは、言っても20%の人にしか効かない」という情報がありますが、それがCR+PRの%を指しているのなら、標準量の150mgとか200mg以上を投与してのその余りにも低い数字に驚きます。CRしかカウントしていないのでしょうか?それとも、たまたま当院にオプジーボが少量でもよく効く患者さんが集まったのでしょうか?
因みに、当院での副作用についてですが、放置すれば生命に関わるレベルの副作用は3件(7%強)発生し、1件は当院で治療し2件は病院が対応してくれました。少量だからと言って、決して副作用の発生率が低くなっているわけでもないようです。

 ここまで説明した経緯のように偶然にもオプジーボ20mg投与だけで効いた患者さんが少なくなかったので、今さら何の根拠もなく量を上げられないのです。20mgがベストなどとも思っていません。ただ、量を増やしても効果が変わらなかったり、場合によっては逆効果になったりしたらどうしようとも考えます。標準量の「言っても20%にしか効かない」という情報を聞けば、なおさらです。(ただ、さすがに体重が80kgとか90kgの患者さんには30mgとか40mgの投与を勧めていますが)

2017/12/28

低用量オプジーボ治療の症例報告(8)

 最近、低用量オプジーボ治療をご希望される患者さんは状態が悪い例がほとんどで、そのためもあってかなかなか著効例がなかったのですが、久々にPR(30%以上の腫瘍縮小)の症例がありました。

 75歳、男性。平成28年6月に黄疸が出現し、精査の結果、十二指腸乳頭部癌ステージ2と診断される。8月に手術し例によって「全部取れた」と。後療法で抗がん剤治療開始したが、副作用強く中断。以後、外来で経過観察されていた。
 ところが、平成29年8月に多発肺転移が見つかる。別の抗がん剤治療開始し、2クール終わったところでPD(悪化)と判断され余命1年と宣告される。(早いな!) その後も抗がん剤治療を続けていたが、やはり副作用が辛いとのことで患者さんが継続拒否。

 当院に相談にみえ、胸部レントゲン上、確かに両肺に複数個の転移巣を認める。相談の上、11月15日より低用量オプジーボ治療開始。3回終わって2週間後の12月28日の胸部レントゲン写真で各転移巣はそれぞれ30%以上縮小しているし、腫瘍の陰影の濃度そのものが薄くなっている。腫瘍マーカーのCA19-9も140から72と半分に下がっている。免疫暴走の副作用も今のところ無いようだ。(抗がん剤の副作用の味覚障害は続いている)
このままCR(完治)まで一気に行くことを期待しています。どうか免疫暴走だけは起きませんように。

2018/1/15

低用量オプジーボ治療の症例報告(9)

83歳、女性。
住民健診で便潜血(+)を指摘され、平成29年6月14日に地域の基幹病院受診。
諸検査の結果、9月になりようやく左下葉の肺腺癌ステージ4と診断される。肝臓、右副腎、左腎臓、右下腹部皮下に転移ありと。
10月6日に正式に病名と病状を告知されるが、担当の先生の診療態度に不満を抱き、以後勝手に受診せず。(こうしたケースが少なくない)
その後、遠方の自費診療クリニックで超高濃度ビタミンC点滴を受けていた。
ご本人の最大の苦痛は肛門部の痛みであり、それは基幹病院担当医も自費診療クリニックの先生も「痔」という診断で外用剤が処方されていたが、
さらに別の肛門科に受診したところ、痔ではなく癌の転移だと。

ネットで色々調べて、12月11日に低用量オプジーボ治療の相談で当院に来院。
肛門部を拝見すると、まさしく肛門に鶏卵大の腫瘤あり。こんな巨大な外痔核(イボ痔)があるわけない。
(肛門科以前の先生たちは、これを見てもいないのだろう。いくら忙しくても、それはダメでしょ。あまり診たくない場所ではあるが。)
胸部レントゲン上、確かに左下葉に陰影あり、腹部超音波で肝転移も確認できた。

早速、オプジーボ投与開始。
3回投与後、4回目の投与のために本日(平成30年1月15日)来院。
胸部の陰影は縮小しているものの、未だ30%以上の縮小には達していない。
しかし、肛門部の鶏卵大腫瘤が跡形もなく無くなっていた!
確かに前回までは肛門部の痛みのためベッドで仰向けになれなかったのに、今日は仰向けに寝ている。
腫瘍マーカーも順調に低下しているので、明らかに効いている。


※やはりオプジーボは肺癌にはよく効くようです。
当院でこれまでに治療を受けられた肺癌患者さんの成績は、腺癌8名のうちCR(完全奏効)2名・PR(部分奏効)3名・SD(安定、つまり不変)1名・PD(悪化)2名、扁平上皮癌の1名もPR。
実に肺癌9名中66.7%の6名がCR+PRです。
そして、PRの患者さんのほとんどは引き続き治療を受け着実にCRに向かっています。
しかし、腺癌PRのうち1名は途中で免疫暴走(肝機能障害)が起きたため治療中止になり、現在は標準治療で分子標的薬による治療を受けています。
そうした残念なケースもあります。

2018/2/7

低用量オプジーボ治療の症例報告(10)

 今回の症例は、実は2016年7月15日記載の「免疫細胞療法+”低用量オプジーボ”」の症例報告(3)の61歳(現在62歳)胆管癌の女性のその後です。

 前回の報告では、初回オプジーボ単独40mgで既に腫瘍径が43mm→34mm、その後NKT+オプジーボ20mgで34mm→23mmと順調に縮小していました。
 しかしその後、厚労省から免疫細胞療法とオプジーボの併用に関する注意喚起が出たため、やむなく低用量オプジーボ20mg単独に切り替える。(未だに無視して併用治療を強行しているクリニックがありますが、大丈夫でしょうか?)
患者さんも渋々了解。

 幸い低用量オプジーボ20mg単独でも徐々に腫瘍は縮小し、併用治療も含めて計11回の治療が終わった時点での2017年7月のCT検査では「腫瘍影ははっきりしない」となる。

 以後、2〜3ヶ月に1回に治療間隔を開け、15回投与後の2018年1月26日のCT検査でやはり腫瘍を認めないとの結果を受けCRと判断。
 しかし、患者さんは再発が心配とのことで、相談の結果、副作用リスクのないNK細胞療法単独を時々行うことで合意。(CRなのに一応副作用のリスクあるオプジーボをダラダラ続けるわけにはいかない)

2018/4/7

低用量オプジーボ治療の症例報告(9)のその後

83歳、女性。
平成29年9月に肺腺癌ステージ4(肝臓、右副腎、左腎臓など全身に転移あり)と診断。
いろいろな経緯あり、ほぼ無治療の状態で平成29年12月11日に当院受診し、低用量オプジーボ治療開始。
3回の投与で、患者さんが一番苦しんでいた肛門部の転移が消失。
(ここまでは前回にも記載した通り)

その後、副作用なく経過し、
平成30年2月28日(6回投与後)肝臓や右副腎や左腎臓などの遠隔転移が全て消失。原発の肺の陰影はまだ少し残る。
4月7日(9回投与後)肺の陰影もほぼ消失。わずかに残る陰影は傷跡みたいなものでしょう、と患者さんには説明。各腫瘍マーカーも正常値化。
ほぼ完治と判断し、これ以降は念のため2ヶ月後に再診。その時の検査結果を見て追加でオプジーボを投与するかどうか決めることにする。
もっと安価でマイルドな免疫治療に切り替えてもいいだろう。
患者さんは治療費用として取りあえず200万円は準備したそうですが、十分にその範囲内でここまで持って来られた。
(それでも高額の治療ですから、1回の治療代が40万円とか60万円の治療って正気の沙汰じゃないですよね)

※オプジーボはあまりいい気になって2週間ピッチの投与を続けると、急に効かなくなることがある。(それはオプジーボ開発者の本庶先生も言っている)
個人的には10回の投与を分岐点にしている。だから、完治していなくても10回を超えてきたら投与インタバルを開けていく。
この患者さんは9回でほぼ完治に持って来れたので、理想的に近い。
なぜなら、もっと早い回数であまりに早く効く患者さんは今度は免疫暴走の副作用も起こりやすく、結局は治療中断になってしまうからです。

2018/6/11

低用量オプジーボ治療の症例報告(7)のその後

>患者さんは51歳女性。
>卵巣癌で何度も手術(なんと8回!)や抗がん剤治療を繰り返してきていて、転移のため右肺も下半分切除している。
>しかし、肺に新たに転移が見つかり、標準治療ではもはや打つ手なしとのことで、平成29年7月に当院受診。
>胸部レントゲン写真で、確かに残された右肺や肺門部に腫瘍影を認める。

>相談の上、低用量オプジーボ治療をやってみることになり、早速初診時に1回目投与。

>ところが、2回目投与予定の直前に患者さんから連絡があり、
癌がよりによって健側(手術していない側)の左肺に行く主気管支を閉塞してしまい、左肺が無気肺(肺に全く空気が入らない状態)になってしまったと。
>つまり、肺が4分の1しか機能していない状態になってしまったため、常時酸素を吸っている状況で、来院できないとのこと。
>とにかく1回投与しただけで終わっては意味がないのでと、特別に往診して2回目投与。

>その後、近くの地元の医院の先生が協力してくれ、その先生により更に2回投与した段階で問題の無気肺が解除された、つまり気管支を塞いでいた腫瘍が小さくなったという報告がありました。


それから1年近く経って連絡あり、経過は順調だが肺の影は未だ有り、地元の医院の先生から「オプジーボは一体いつまで続けるのだ?今後どうしたらいいんだ?」と言われたとのことで、相談のため来院。(ご自分でも少しは調べてくださいよ)
胸部レントゲン写真撮ると、確かに右肺上部の影は残っているが、他はすっかりキレイになっている。そもそも、残っている影は腫瘍なのだろうか?PETで染まるか確認するといいのでは、とアドバイスした。
当面、オプジーボは2ヶ月に1回でよいのでは?ともアドバイス。(コストも抑えられる)
PETの結果によっては、もっと間隔を延ばす又は一旦やめてもいいとも思う。

卵巣癌でも、効く人は効く。
一時は酸素吸っていたが、すっかりお元気になられた。

2018/11/14

低用量オプジーボ治療の症例報告(11)

※低用量オプジーボ治療の症例報告が5ヶ月遠のいた理由は、純粋にこの間に著効例がなかったからです。(残念ながら効果が無かった症例を詳細に報告しても仕方ないですし)
オファーの件数自体も激減しています。2%前後の深刻な副作用に対してのネット等での注意喚起の為せる技なのか、ただ単にオファーが減っているだけなのかはわかりません。しかし、本庶先生のノーベル生理学医学賞受賞を契機にオプジーボに対するネガティブな記事等も逆に増えていることも事実としてあります。「言っても20〜30%の人にしか効かない(癌種にもよりますが抗がん剤はもっと効かないのに)」とか「重大な副作用ある(深刻な副作用は2%前後の上に、早めに対応すれば改善させられる可能性が高いのに)」とか。。
そうした中でも久々に著効例がありましたので、以下にご報告する次第です。


38歳、女性。
平成27年8月に左乳癌が見つかり全摘手術受け抗がん剤治療と放射線治療も受けた。
その後3ヶ月毎に経過観察されていたが、平成30年2月に多発性骨転移が見つかる。特に右骨盤〜右大腿骨の骨転移は加重かかると簡単に骨折して歩けなくなってしまうので、松葉杖生活になってしまっていた。

平成30年3月に低用量オプジーボ治療の相談に来院され、早速1回目の投与。
2回投与が終わったあとの4月10日のCT検査で既に各骨転移部分が縮小していたと。腫瘍マーカーのCA15-3も55(U/ml)→37(U/ml)と低下。
6回投与後の7月のCT検査で各骨転移とも更に縮小していたため、松葉杖不要と判断され普通に歩行できるようになった。CA15-3も22(U/ml)と正常値領域に入る。(CA15-3は、正常が25(U/ml)以下)
9月のCT検査で(ちょっとCTやり過ぎとちがう?)、画像上、各骨転移消失。もちろん、他に転移や再発を疑う所見なし。
この間、オプジーボによると思われる副作用の兆候も皆無。
今後は4ヶ月毎の投与もしくは一旦中止で可とした。

乳癌でも効く人はこのように効きます。
他に何人か乳癌の患者さんの治療が開始されていますが、どうかその人たちにも効きますように。

2019/1/16

低用量オプジーボ治療の症例報告(12)

症例は68歳女性。
平成30年2月に喀血し、肺癌(扁平上皮癌)が見つかる。
既にステージ4との診断で抗がん剤治療を勧められるも、拒否。
左肺の原発巣に対する放射線治療のみ行われる。(これ、意味ある?)
並行して自費診療クリニックにて免疫細胞治療を6回受ける。
その後は経過観察になっていたが、10月になり脳転移が見つかる。(残存肺腫瘍も大きくなってきた)
脳転移に対してガンマナイフが予定されている段階で、10月6日に当院受診。
全身療法が必要だろうとのことで低用量オプジーボ治療を開始。
1回目投与の数日後に意識レベルが低下し、病院に救急搬送される。
患者さん家族はオプジーボの副作用を疑ったが、脳転移による脳浮腫から脳ヘルニアを起こしていたという診断。(脳転移の最も危険な合併症)
幸い治療が奏効して生還し、落ち着いた時点でガンマナイフによる治療も予定通り行われた。

引き続き低用量オプジーボ治療を希望されたが、ここで問題がひとつあり。
脳浮腫による脳ヘルニアに対して大量のステロイドが投与され、低用量オプジーボ治療再開希望時にも未だ結構な量のステロイドを内服していた。
ステロイドは免疫細胞の力を低下させるので、オプジーボの効果が十分発揮されない可能性が高いと一旦はお断りする。
しかし、患者さん側のたっての希望で10月30日より低用量オプジーボ治療を再開。
最初の治療も含めて3回の投与が為されたあとの11月20日の胸部レントゲン検査で、なんと最大の左肺腫瘤影が消失。
5回投与後の12月18日の胸部レントゲン検査にて、残りの右肺の4個の腫瘤影もいずれも縮小。(未だ腫瘤影は残っているが、1個は消えかかっている)

以上のような良好な経過ゆえ、平成31年1月現在、引き続き治療継続中。


考察(1):肺癌には、やはり良く効く。当院でこれまでに低用量オプジーボで治療した肺癌患者さんは全部で10例。(腺癌8例、扁平上皮癌2例)
うち、CR3例、PR5例、SD1例、PD1例。つまり、全く歯が立たなかったのは1例のみ。
考察(2):ステロイド投与されていても(それも結構な量)、オプジーボが効く可能性があることを示唆する症例である。
考察(3):初回のオプジーボ投与直後に脳ヘルニアを起こしたのは「オプジーボにより活性化された免疫細胞がすぐさま脳転移に対しても攻撃を開始し殺到したため起こった可能性もある」という仮説も考えられる。脳腫瘍や脳転移でその周辺浮腫も顕著な場合には、いきなりオプジーボを使わない方がいいかも知れない。

2019/9/30

2019年10月からの消費税増税に関して

残念ながら2019年10月1日から消費税増税が行われますが、それに伴い大変申し訳ありませんが一部の治療料金を改定させていただきます。
これまでの8%分は当方で被っていましたが、さすがに10%となり、薬剤その他の材料仕入れ時に10%余分に掛かる上に売上げからも10%が税金分でダブルで徴収されるわけですから、やむを得ずです。
何卒ご理解ください。
なお、料金表はわかりやすいように内税にしてあります。