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2017/5/10

低用量オプジーボ治療の症例報告(5)

患者さんは23歳男性。
右手から発生した滑膜肉腫と言う珍しい肉腫。平成28年に大学病院で手術。しかし、1年後の平成29年1月に肺に多発転移が見つかる。
外科お得意の「全部取りました」という執刀医の言葉を「完治した」と解釈していたため、家族が激怒し大学病院での治療を拒否。
その後いろいろ転々として(アメリカの高名な専門医にも会いに行っている)、わけあって当院にオプジーボ治療の相談のため来院。

なにしろ肉腫。癌よりタチが悪い。
「オプジーボが効くかどうか全くわからない」と正直に申し上げた。実際、肉腫に対する治療経験もないし、家族が必死で責任重大だし。
家族はお金が十分ある人らしいので、NK細胞療法+オプジーボ+ヤーボイの重厚な治療を売りにしている他院に相談に行くよう勧める。(それがいいという意味でなく、当方が全く自信が無いので逃げただけ)
しかし、リスクも出来るだけ避けたいと言うこと聞かず、仕方が無いのでオプジーボ治療を引き受けた。
本人は体重90kg近くの巨漢ゆえ、さすがにオプジーボを当院通常の倍の40mgで開始。

ところが、当方の暗〜いモチベーションに反して、オプジーボ40mg3回投与後に既に胸部レントゲン上で確認できる転移巣は見えなくなった!
次のCT検査が6月のため、CT上では残存しているのかそれともCT上でも消失しているのかは未だ不明だが、少なくとも改善はしている。
肉腫にもトライしてみる価値はあるようだ。


※ ここでお断りしておかなければならないのは、このように肉腫にさえ効いたという良い成果だけではないということです。
これまで、肝細胞癌や乳癌の症例で明らかに歯が立たなかった例もあります。
逆に、肝細胞癌や乳癌で効いている人もいますが、その差が何によるのかはわかりません。
現状、そういう治療だということを改めて強調しておきたいと思います。

2017/2/3

オプジーボの薬価について。

 平成29年2月よりオプジーボの薬価が半額になったことで、当院にもオプジーボ治療の料金の変更(値下げ)はあるか?というお問合せが殺到しています。

 先ず、結論から申し上げますと、料金の変更はありません。
 理由は、我々診療所が購入している海外からの輸入オプジーボの薬価に変更はないからです。一部の病院にだけ卸されている国産の小野薬品製オプジーボの薬価が半額になっただけです。
 そもそも値下げ前の小野薬品のオプジーボの薬価は20mg当たり15万円強。当院のオプジーボ20mg当たりの治療代が15万円(税込み)。小野薬品のオプジーボが仮に使用できたとしても、20mg当たり15万円でやれるわけがありません。値下げ前の小野薬品の薬価が高過ぎたということです。
 因みに、小野薬品のオプジーボが半額になっても病院では標準量(3mg/kg)で投与されますから、例えば体重60kgの患者さんで1回の使用量が180mg。オプジーボだけで1回67.5万円の医療費がかかります。依然として高額な費用がかかる治療です。

2017/1/27

超高濃度ビタミンC点滴もバカにはできない。

 当院は超高濃度ビタミンC点滴治療(以下、IVCと略す)も行っていますが、さすがにこれ単独で固形癌が消えたという症例は経験がない。(そもそも、いるのか?)
 この治療を受けている患者さんのほぼ全ては、標準治療の方の主治医の先生からは「そんなもの受けてもしょうがない」「気休め」と言われます。(まあ、仕方ない)
 
 しかし、以下の2例を経験したのでご紹介。

(1)(現在)68歳の男性。平成22年7月に左腎臓の腫瘤が見つかり、癌が疑われ手術を勧められるが拒否。(拒否する何ら明確な根拠なし)
 どこかでIVCについて知り、来院。常識的には手術すべきとこちらでも説明するも翻意なく、「効かなくても知りませんよ」と申し上げて治療開始。
 当院としても超音波検査で腫瘤の経過を追うが、変化ないので望まれるまま治療を継続。
 ずっと問題なかったが、平成28年5月になり血尿が出るようになったため、さすがに観念して元の病院を再診。7月に今さらながら手術を受けた。結果はやはり腎臓癌(明細胞癌)だった。術後の抗がん剤治療は、これまた拒否。
 現在、最初に腫瘤の存在を指摘されてから6年半。手術受けて未だ半年なので今後の事はわからないが、癌を放置したまま血尿出るまでの6年間無事だったのはIVCのおかげなのか?

(2)(現在)59歳の女性。平成22年秋頃から腹部腫瘤の存在に気づく。平成23年1月になりようやく病院で精査受け、濾胞性悪性リンパ腫と判明。当然のことながら抗がん剤治療を勧められるが、拒否。
 東京の或る代替医療クリニックでIVCを吹き込まれ、平成23年5月にIVCやっている地元の当院受診。例によって抗がん剤受けるべきという話には耳を貸さず「知りませんよ?」と申し上げてIVC治療開始。
 ところが、初診時に超音波検査にて径8cmあった腹部腫瘤が、IVC開始半年後に見えなくなる。(やはり悪性リンパ腫に限ってはよく効く!)
 その後もず〜っとIVC治療を続けてきて、平成29年1月に元の病院で久々にCT検査してもらったところ、やはり腹部腫瘤は消失していた。主治医の先生曰く「奇跡です」と。(あくまでもIVCは否定したいのね) 他の場所に怪しいリンパ節を散見するらしいが、これまでの経過を考え主治医ももはや抗がん剤は勧めていない。
 発病から6年以上、IVC開始から5年半以上経過していて、ずっとお元気です。この患者さん、割と有名なブロガーさんですが、この奇跡(?)については一切書いていません。

2017/1/25

低用量オプジーボ治療の症例報告(4)

患者さんは71歳の男性。
平成28年3月中旬より咳が出現。4月中旬になり左頚部の腫瘤に気づき近医受診。
すぐ地元の中核病院に紹介される。
諸検査にて左肺の腺癌と判明。左頚部腫瘤は頚部リンパ節転移。ステージは4。
抗がん剤治療を勧められ、治療しても余命1〜2年と宣告される。

余命1〜2年では困るとのことで、抗がん剤治療は拒否。
6月に知人の紹介でオプジーボ治療希望して当院に来院。(なんと、中核病院の担当医が普通に紹介状を書いてくれている)
こちらでも余命が延びる保証はないとの同意の下、低用量オプジーボ治療開始。
1回治療後に先ず咳が改善。
2回治療後に咳がほとんどなくなり、左頚部リンパ節の大きさが明らかに縮小。
3回治療後、胸部レントゲン上の肺癌の陰影が明らかに縮小。左頚部リンパ節は触れない。
この時点で明らかに治療が奏効していると判断し、治療継続を決める。幸い血液検査上も問題なし。腫瘍マーカーの中で唯一異常値を示していたCYFRAも正常値になる。

最終的に8回治療した時点で、中核病院にPET-CT依頼。
通常のCTでわずかに残る左肺の陰影がPETでは全く染まらず、マクロレベルでは一旦治癒とした。
しかしミクロレベルではわからないので、再発予防として今後しばらく2ヶ月に1回の頻度で治療継続することになる。

2016/12/19

低用量オプジーボ治療の症例報告(3)

患者さんは、74歳男性。
平成28年8月初め頃から背中の痛みが出現。近医でCT撮影し異常を指摘され基幹病院に紹介される。
基幹病院の諸検査にて、肺に陰影あり既に骨転移・肝転移・腹腔内転移あると。
この時点で、余命10ヶ月〜1年と宣告される。

9月26日の生検結果待たず、9月24日にオプジーボ治療の相談で当院に来院。
病院が治療に消極的だとのことで、合意の上オプジーボ20mgいきなり投与開始。

10月8日、2回目のオプジーボ投与のため来院。
結局、肺癌の組織は扁平上皮癌だった。
胸部レントゲン検査で右肺の原発巣は少し大きくなっていたが、左肺の肺内転移は消えていた(?)
微妙な結果なので、もう1〜2回はオプジーボ試してみることになる。
病院では10月13日より胸椎の転移に放射線治療を開始することになった。(脊髄損傷回避のため)

2回目のオプジーボ投与後に背中や下肢などの全ての痛みがなくなった。
ところが、放射線治療開始3日目に背中に激痛が出現し歩行出来なくなる。
放射線を当てた胸椎の骨転移が急に大きくなり脊髄を圧迫しているため、と判明。
胸椎の外科手術をすることになる。
問題は、この時の胸部レントゲン検査で右肺の原発巣が非常に小さくなっていたと。

胸椎の手術が無事に終わり、11月9日に未だ入院中だが外出して3回目のオプジーボ投与のため来院。
確かに当院での胸部レントゲン撮影でも肺の影は全て消えていた!

ところが、11月26日の4回目のオプジーボ投与で来院した際に、右肺の原発巣が胸部レントゲン上で薄く再発していた。
2回目と3回目の治療が手術の影響で1ヶ月開いたせいかも?といいように解釈して、そのまま4回目の投与施行。

12月10日、5回目のオプジーボ投与のため来院。
胸部レントゲン検査で再び右肺の再発した原発巣は前回より縮小。
まるで小細胞癌かと思われるような展開の目まぐるしさである。


この時点で基幹病院もこの患者さんに対するオプジーボの有効性を認識したらしく、
患者さんに以下のような提案があった。
(1)先ず内服の抗がん剤(TS-1)を前振りで少しの期間飲んでもらい、患者さんに食欲不振を(有っても無くても)訴えてもらい、すぐ中止。
(2)セカンドラインとして、その後に保険でオプジーボ治療を開始する。もちろん、標準量で。
病院と患者さんとのデキレースであり保険診療としてはかなりグレーだが、患者さんにとっては病院側の今回の配慮は幸運です。
おそらく効くと思われますし。




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