炭酸ガスレーザーによりニキビ跡クレーター底の瘢痕組織を除去した上で、フェノール・ベースのタイムピールというピーリング剤を塗布し深いピーリングを行ない、周辺皮膚とともに新しい皮膚を再生させる治療法です。成果は大きいですが、リスクも高くダウンタイムも非常に長い治療です。
リスクとしましては、施術による新たな別の瘢痕が出来てしまう可能性があります。また、白斑が出来る可能性もあります。
炭酸ガスレーザーによりニキビ跡クレーターのみをアブレージョンし、その損傷の治癒を利用してクレーターを浅くしていく治療法です。TCAクロス法と似た理屈です。手作業のフラクショナル・レーザー治療とも言えます。深部皮膚再生術に比べリスクもダウンタイムも遥かに下げられますが、治療回数は必要になります。成果も深部皮膚再生術には劣ります。
リスクとしましては、凹みの改善が悪ければ施術前より見た目が悩みになる可能性があります。
微細な針で皮膚に高密度に小孔を開け、それらの修復過程を利用してアンチエイジング効果を引き出すダーマペンという器械の最新版がダーマペン4です。
これ単独もしくは成長因子等の塗布を併用しようが、さすがにニキビ跡クレーターの明確な改善を得るのには無理があります。しかし、炭酸ガスレーザー・アブレージョン後の更なる改善を求めて使用する分には期待できる治療のため導入しました。
因みに、アンチエイジング目的での使用においては、これ単独で成果が期待できます。マッサージピールなどとの併用も推奨されます。
リスクとしては健康被害の方ではなく、患者さんが期待したまでの成果が出ないことです。(それは美容医療のほとんどに言えることですが)
サブシジョンとは専用の特殊な針を使用し、ニキビ跡クレーター底とその下の瘢痕組織との間を切断してクレーターの深みの改善を図る治療法です。
サブシジョンというのは、いわゆるローリングスカー型に特化した治療法であり、ボックススカー型やアイスピック型と呼ばれる通常のニキビ跡クレーターにはほぼ無力です。
余分にお金をかけてフィラーなどを注入しようが同じことで、クレーターをそのまま残して周辺ごと盛り上がるだけです。
このように、非常に適応範囲の狭い治療法なのです。
CO2REはシネロン&キャンデラ社のハイブリッドフラクショナルCO2レーザーで、通常のフラクショナルCO2レーザーに加えてスキャナー機能を持っています。(平らに削っていく機能です) スキャナー機能を持つ炭酸ガスレーザーは現在この製品しか無く、深部皮膚再生術に不可欠な機能であり、これまで使用してきた機種が古くなった上に廃盤になったため修理やメンテナンスも出来なくなり、このたび導入に至りました。
フラクショナルレーザーではニキビ跡クレーターをややぼかすだけで決して消えはしませんが、例えば深部皮膚再生術後に未だわずかに残る凹みに対して照射するのには有用です。なぜなら、深部皮膚再生術によりニキビ跡の真皮内瘢痕組織はほぼ除去されているからです。
成果を出すためにはそれなりの出力で照射しなければならず、そのためいわゆるダウンタイム(赤みなど)は1ヶ月以上です。ダウンタイムが数日や1週間程度の照射では、肌のアンチエイジング目的の場合はそれでもよいのでしょうけど、ニキビ跡についてはほぼ何も変わりません。赤み以外に炎症後色素沈着が長く残るリスクがあります。また、麻酔クリーム塗布での照射はまさに拷問ですので当院では基本的に局所麻酔注射をして施術しますが、麻酔薬に対するアレルギーのリスクもあります。